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社長ブログ

2021年12月の記事一覧

大晦日 恒例行事

2021年12月31日

大晦日です。2年前の大晦日も全く同じ記事を書いてました。毎年同じということが年末年始は良いことなのかもしれませんね。もっと余裕をもって掃除をしないといけないですが、家の中で一番きれいにしておかなければならない場所は一番汚れやすい場所である御不浄です。日頃の働きに感謝してお掃除しましょう。

洗浄便座は機能的には清潔に見せるようになっているんですが外してみるとかえって汚いんですね。この辺りはメーカーさんの見えなきゃよいのではないか的なものを感じてしまいます。もっと清潔にしておける工夫はないものでしょうか。私ならこうするのにというのがないわけではないのです。

さて暦は現在太陽暦ですが個人的には今でも日本の風土には二十四節気をベースとした太陽太陰暦が一番しっくりくると思っています。私の誕生日の冬至が暦の一つの基準となるのですが様々な行事が季節と密接にかかわっているので旧暦でなければ意味のない祝祭日もあるのですよね。

 

太陰暦では15日が満月で三十日は晦日でした。三十一日のことを大晦日といいます。晦という字は「月隠れ」(つきごもり)から「つごもり」と読みますので大晦日の別名は「おおつごもり」です。今夜我が家の儀式は神社で授かった道具を使った「お祓い」ですね「晦日祓い」から「ミソカッパライ」と呼ぶ地域というかそういう人もいるらしいですがそれは聞き間違いでしょう。

 

「祓え給い、清め給え、 神(かむ)ながら守り給い、 幸きはえ(さきわえ)給え」

「一年間の罪汚れをはらい神力によりお導きください」という意味の言葉を唱えながら各部屋を回って最後に家族、そのお祓いに使った道具を鬼門の地面に挿しておきます。お正月様のお食事ももう一本のお祓いでお供えするごとにお祓いしお正月明けに同じところに挿します。ところどころで割りばしの先に白いひらひらのついたようなものが地面に挿してあるの都会では見ないでしょうけれど残ってほしい風習ですね。

神力無礙(じんりきむげ)無礙の神力にお願いする。共に生きているということです。

 

 

His master’s voice   =Nipper= 2

2021年12月08日

おかえりなさい。

2021年12月8日は巷では大東亜開戦80年ということで話題ですが我が社にはNipperが来た日です。

ビクターオンラインストア https://victor-store.jp/ で限定版Nipperを大人買いしました。

しっかり梱包されたNipper君。会社の玄関では寂し気なので明るいところに置きました。

100体限定品 シリアルナンバーは045/100でした。

いつから販売しているのかはわかりませんが、まだ50体は買えるのですね。個人的に高価なものですがスワロフスキーのNipper君は50万円以上のプライスですから大きさからいうとお買い得かもしれません。

前記事

https://www.tdd-sanei.com/blog/his-masters-voice-%ef%bc%9dnipper%ef%bc%9d/

にもあるように、我が社の建物はJVCケンウッド様から譲渡されたものです。だからある意味『Nipper君おかえりなさい』なのです。

私たちには懐かしい昭和の夢や希望にあふれていた時代の一つの象徴です。物質的に恵まれているはずの今なぜ幸福感が乏しいのでしょうか。

 

80年前の今日対米戦争が始まり日本の歴史を振り返ると幸せって何だろうと考えてしまいます。JVC(日本ビクター)様が謳う「時代をつくるブランドである」「音楽で幸せにすることを私達の使命としてチャレンジを続けていく」という精神が現代の日本人に感じられないのは私だけでしょうか。

「時代を作る」とか「チャレンジ」とかがなんとなくスローガンとして言いにくい時代。その原因は多くの人に自信がないのです。自信を持つことに自信がないのです。

 

「昔は」というフレーズは使いたくないのですが昔は根拠のない自信があったのです。やれるという感じ、失敗してもいいからやってみようというチャレンジ精神。いつの間にか失敗が許されない不寛容な社会になったのかもしれません。大企業も失敗してもよいから開発優先という時代ではないようです。

確実に利益を上げられることが重要視されるようになった気がします。確かに人が悲しむような失敗はいけないと思います。しかし前向きに将来の糧になるような失敗なら我が社では歓迎します。特に若い人は失敗を恐れずにチャレンジしてほしいです。未来は作るものですから待っていて誰かほかの人に期待しても何も起こりはしません。Nipperも生まれて100年以上愛され続けるなんて思ってもいなかったでしょう。私たちも人の心に残るモノづくりがしたいものです。個人に与えられた時間は有限でも正しい「理念」は無限に継承されると信じています。理念のあるモノづくりをしなくてはいけません。

 

 

若者に現実を知り考えてほしいこと「失われた30年」

2021年09月19日

本日は私の体験した「失われた30年」について若者へのメッセージとして記したいと思います。

 

「晴天を衝け」で地元の澁澤榮一翁が取り上げられていますが渋澤財閥は存在しません。一介の農家に生まれ千を超える株式会社や公益法人を立ち上げながらその動機は「将来のため・私欲を超えて・公共のため」であったと思います。明治人最高を説く私にとって榮一翁はまさに明治人の鑑です。現代は残念なことに「今だけ・金だけ・自分だけ」という日本人の旧来の価値観とは全く真逆の思考が浸透しています。

親ガチャという厭世的な言葉もきかれます。どこに生まれるかで人生が決まってしまうというものです。人間は生まれる国や時代に翻弄されるだけの存在なのでしょうか。我々も大東亜戦争の時代に生まれれば否応なしに戦地に赴いてその後、戦後の復興に尽くすことになったかもしれないですがそれでも前向きに生きなければならないのです。スタートはどうでも与えられた材料の中でどれだけ自分が成長したかが人生の価値だと思います。

 

私の30余年見聞きした狭い範囲のことを述べたいと思います。ちょうどバブルから失われた30年の期間です。なぜこうなったのかを自分なりに記します。毎度申し上げますように専門家でも研究者でもありませんので分析があっているかわかりませんが肌感覚で語ります。過去を知って未来に活かすことが大切です。同じ失敗を繰り返さないようにしなければなりません。

日本がアジア初の5大国入りをしてパリ平和会議で人種差別撤廃を提案したのが1919年。大変立派なことでしたが当然受け入れられませんでした。それが外交の分岐点だったと思います。皆さんには世界の何らかの世界的なルールが変更されるとき日本側に不利になることが多いと知りましょう。

 

私が社会人になったのは1985年(昭和60年)バブル期でした。丁度この年、先進国のルール変更がありました。当時の 円/ドルは 250円/ドル(円安)でした。ドル高貿易赤字に苦しむアメリカはG5(アメリカ・フランス・イギリス・ドイツ・日本)をニューヨークのプラザホテルでドル高是正合意を達成します。(プラザ合意)あっという間に円高になりました。日銀は慌てて公定歩合を下げて円を市場に流して価値を下げようとします。土地は下がらないという思い込みから金融機関から簡単に調達した資金は土地や株に流れ込んで東京の地価は3年で3倍に、借りたお金は転売で返して利益が残る。実体のないバブルが始まりました。価値のないものは上がり続けるわけがありません。政府と日銀は公定歩合を上げ資金の総量規制や土地への課税をします。「土地が下がるかもしれない」と思った企業や投資家は一斉に売りに出ますが全員が売ろうとするのですから売れません。たたき売りでも売れません。企業や投資家、証券会社は破綻しましが銀行は税金で救われました。バブルに踊って破綻したのは日本人でしたがきっかけはあのルール変更です。

傷んだ金融機関をはじめとする日本経済。ものは安くしないと売れなくなりました。物が売れないと給料も上がりません。さらにモノの金額を下げます。デフレスパイラルに落ちました。ビックマック指数というものがあります。現在日本は最低レベル390円でビックマックが買えます。韓国440円イギリス522円アメリカ621円スイス774円。「アメリカやスイスは物価が高くて大変そう」そう思ったあなたは既に敗北主義に冒されています。ビックマックが高いのは給料がそれ以上に高いことを示しているからです。自動車のようなグローバル商品が高くなったな。と思うのは日本人の給料が上がっていないからなのです。

ドル/円 相場の推移

ドル/円 相場の推移

名目GDPは1995年頃やがて日本がアメリカを抜くのではないかと言われていました。事実グラフもそんな曲線を描いています。しかしバブル崩壊(裏にルール変更)によって日本は墜落します。変わって出てきたのはChina。いつか見た光景です。大東亜戦争で日本が戦っていたのは蒋介石の中華民国でしたが気付いたらChina共産党が戦勝国になっていました。連合国は日本が押さえていたフタを開けて極東を赤化してしまいます。アメリカは日本を叩いてから朝鮮戦争が始まって気づきました。「日本に軍隊が必要だ」しかしもう軍隊は持たせないといってしまった。警察予備隊(自衛隊)を作ります。もう遅いのです。

 

貿易で伸びた日本が怖くなって日本を叩きました。日本はバブル崩壊して失われた30年に苦しみます。(日本の若者が苦しみを感じていないのが問題ですもっと不満を表現しましょう)気づいたらChinaがアメリカのGDPに迫っています。Chinaは日本のように甘い国ではありません。もっとしたたかで有言実行の国です。何十年何百年かかっても必ず中華を復興するでしょう。常に世界をリードしてきた自尊心を持っています。

名目(物価変動含)米ドル換算推移 2010年日本は3位へ

出典 IMF ニッセイ基礎研究所作成

GDPが日本の10倍になったとき恐らく防衛費は数十倍になっています。お隣にそんな国があって抗せますか。既に経済や食料でも競合し危険な状態です。いずれChinaの経済圏に吸収されます。良いのですか。

軍事防衛は別にして経済安全保障上も日本の産業で他国と伍していくには武器が必要です。半導体や自動車は日本の強く大切な武器でした。しかし現実を見てください。ファンドリーを除く半導体の世界シェアは1990年の50%をピークに失われた30年をなぞるように右肩下がりし現在では5%を切っており経済産業省は公式に「0」になる可能性もあるといっています。

皆さんは半導体を日本が強い分野だという幻想を抱いていませんか。そう思わされていませんか。実際はそうではありません。業界にいる私が申しあげるので間違いはありません。今のところ半導体装置とシリコンウエハを含む材料系のアドバンテージはあります。しかし近いうちにシリコンウエハの世界シェアはかつてのIC同様下降します。パワー半導体の新基板でもリードを守れるか不透明です。ここには政治が必要ですが自民党の半導体議連も経産省も対策が故意にポイントを外しているようにみえます。日本をミスリードしている目的は何でしょう。

半導体ICの世界シェア1990-2020

半導体ICの世界シェア1990-2020

出典 IC Insights ファンドリ含まず

このような状況で賃金が上がる要素がありません。30年の賃金の推移を見てください。暗い気持ちになります。OECD先進38カ国のデータですが日本・韓国・アメリカだけに色を付けました。

10年刻みのほうがわかりやすいと思います。ここでの数値は 購買力平価(PPP)purchasing power parity(商品が他国ならいくらか)というものです。単に為替変動を含む名目値だともっと差がついています。この30年日本の数値は止まっていますね。これは資本主義の社会では異常なことなんです。日本以外の国はほぼすべて購買力平価(給料)が上がっています。

この低賃金、給料が上昇しない賃金のシステムを作った人たちが今、一番年金をもらっていてそれを払っているのが被害者である若者だという事実。やり切れません。

購買力平価(PPP) ベースの平均年収推移

購買力平価(PPP) ベースの平均年収推移

出典 OECDーDATA

購買力平価(PPP) ベースの平均年収 10年刻み

出典 OECD-DATAを加工

しかし一方で若者にも原因があります。今の境遇で自分は満足かもしれませんが次の世代への責任を果たさないという姿勢は正しくないのです。貴方たちの行動は次の世代に繋がっていますよ。私はたまたま大東亜戦争での特攻で散華された英霊の事を調べる中で多くの死に赴く若者の言葉を知っています。彼らは戦争に勝とうなどと思って散ったのではありません。自分たちの行動は戦争が終わったときの講和の条件に影響を与える。後世を担う若者にメッセージを与えることができると信じて逝ったのです。私たちは彼らの遺志に応える義務があるのです。だから敗北主義は捨てましょう。今からでも私たちの後の世代に何を残せるか考えて行動しようではないですか。

大学ランキング世界・アジア/論文数

出典 高校生新聞2022 進研アド2021 毎日新聞

大学のランキングで日本の大学が順位を下げています。英米が相変わらずトップ20を占めていますが20位付近に香港大学・北京大学・精華大学のChina系大学が入っています。つまりChinaの優秀な頭脳はトップの大学に進み日本の東京大学に来て院生になっているような人材はその次の人たち、さらに日本の私学の院生はその下、日本人はというとさらにその下というのが現実なのです。論文数もアメリカを抜いてChinaが一位になりました。数十年後もう日本からはノーベル賞受賞者が出ない可能性があります。

つい先日、光触媒の発見者である藤井東大特別栄誉教授が研究員ごとChinaの大学に移籍するニュースが話題になりましたが日本で研究をすることは2重の意味で困難があります。研究費用が国から拠出できません。未来への投資より年寄り政策です。もう一つは全ての研究は軍事につながるというアレルギー。日本人の自虐的思想。日本人は富んではいけない軍事的に力を持ってはいけないという潜在的に刷り込まれた意識があることです。Chinaに行けば豊富な予算や環境で研究開発ができる。頭脳が流出してもそれは日本のせいですね。Chinaの仰る通りです。

 

それでは日本に残った皆さんどうしますか。私は零細企業のトップとして皆さんに申し訳ありません。安い給料で一生懸命働いてもらっていますからね。経営者の責任を感じていますよ。しかし同時に物足りなさも感じています。皆さん今の自分に満足してしまっていますよね。それは皆さんだけじゃない。欲を出すことは悪いことではないのですが、もっと金銭的に豊かになりたい。もっと技術や知識を高めたい。もっともっと・・・という欲がないと思います。

 

皆さんの前に今、とても大きなルール変更が起ころうとしています。「脱炭素」社会です。「カーボンフリー」です。大変な矛盾がありますが世界的な流れに抗うことはできません。日本もそのルールに従わなければならないでしょう。日本の自動車産業は世界誇る産業でしたが自動車の歴史は内燃機関(エンジン)の歴史でもあります。優れた内燃機関を作り続けること。それを効率よく伝達する技術を日本は100年かけて作ってきました。しかし今回のルールは100年のアドバンテージをゼロにするものです。「電化した自動車以外は作れないようになる」ことは多くなアドバンテージを日本が失うことになるのです。欧州は何でこんなことを言い出したのか。クリーンディーゼルの排気ガス不正問題が無関係ではないでしょう。欧州が達成できなかった技術を日本はクリアしました。ルール変更です。現段階でハイブリットはChinaと日本では電化に含むとしていますが、やがて全ての内燃機関がNGになるかもしれませんし輸出ができないだけで大打撃です。日本で500万人の雇用が失われる可能性があると危機感を持つトップが言っているではないですか。

 

もう一つ「グリーンエネルギーで生産した製品しか輸出できない」という動きも進むでしょう。電源構成が火力中心の日本で作った製品は輸出できなくなります。太陽光発電は稼働率14%です。平均すると1日で3時間しか発電していません。日本中をパネルにしても賄えない。地熱や風力を使ってもバックアップ電源がないとブラックアウトの危険性がある。八方ふさがりですね。どう打開していきましょう。日本に知恵と力が残っているでしょうか。若者に期待するのは無責任でしょうか。でも生きていかなければならないのは若者です。

各国 電源別発電量構成

出典 資源エネルギー庁

自動車 EVショック 脱エンジン

出典 東洋経済オンライン 毎日新聞

欲を出すことをためらう若い人に言いたい。欲を出すことは恥ずかしいことですか。悪いことですか。とんでもないことです。「希望は活きる力の源泉」私はいつも言っています。希望を実現するためには絶対に欲が必要なのですつまり生きるためには意欲が必要なのです。「自分だけ」をまず捨てましょう。次に「今だけ」も捨てましょう。「金だけ」は自分のためのお金の事じゃありません。人のためみんなのために必要な「お金」です。

 

パラリンピック水泳で銀メダル2つを獲得した山田美幸さん14歳。重度の障害S2。両腕がない脚は曲がり長さが異なる。そんな美幸さんにお風呂で溺れぬようお父さんが水泳を習わせたそうです。今はそのお父さんも亡くしました。でもニコニコ心からの素敵な笑顔で他人に接しています。私は今回のオリンピックパラリンピックで最も感動(言葉では表せない)と勇気をもらったのは美幸さんでした。「おめでとうございますそして有難うございます」

 

私はこの世に完璧な人間はいないという意味で(逆説的に)「どんな人も全員が健常者」だという持論を持っていますが、それぞれが自分を成長させるための負荷を色々設定して人生にチャレンジしている。思い負荷をかけて人生にチャレンジしている美幸さんの座右の銘は澁澤榮一翁の「無欲は怠惰の基である」 だそうです。14歳の彼女のこの言葉を若者であるあなた。日本人であるあなたはどう受け止めますか。

 

 

日本神話 番外 「たったひとつのきまりごと」

2021年08月28日

また前回の更新からだいぶ時間が経ってしまいました。本年度もサンエイは無事に決算を迎えました。隠身(かくりみ 神の語源とも)と皆様の御陰様でございます。ありがとうございます。直下私共の製造業は大変な部品不足に陥っており来期(30周年記)は厳しいものとなりそうです。部品不足の原因は様々ですが大雑把に申しますと

①製造のグローバル化によって大手企業の資材調達が世界的になったことで一つの製品の部品を何カ国に渡っているためロックダウンした地域で生産した部品が遅延し全体の数%の部品が入荷しなくても製品として完成しない。

②半導体不足という政治的な生産力の不備がもたらした構造的な問題。のようです。通常1か月程度で入る部品が半年、10か月、1年とかかるようになってきました。今後1年以上、景気押し下げ要因になると思われます。

日本のグローバル化を掲げた小泉竹中政治の結果

「今だけ、金だけ、自分だけ」という本来日本にない価値観が生んだ弊害です。毎度登場の渡辺京二著「逝きし世の面影」の中の日本人からはそんな価値観全く感じられません。「晴天を衝け」で描かれている渋澤栄一もまた

「後世のため、お金を超える価値を、公共のために」と常に思い続けています。明治を生きた日本人の多くは悠久の歴史を持つ日本ならではの心を持っていたのだと思います。もちろん我欲が悪いことではないし当時も「自己中心志向」の人もたくさんいたでしょうけれど割合の問題と国を動かすような大志と使命を持った人たちの中に「真の公共の幸福の追求」という心理があったと思います。

 

「真の」というところが問題です。「幸福とは何か」今までも述べてきましたが、何も努力なしに悠々と生きられることではありません。丁度パラリンピックが開催されておりますが、どんな障がいをもっていてたとしても(私は人は皆障がい者であるという意味において障害者はいないと思っていますが)生長する喜びを自ら得られる。或いは人に与えられることが「真の幸福」だと考えています。

「逝きし世の面影」挿絵

江戸時代の「おもてなし」 宿に着いた旅人の足を洗い飲みものを出す。

「逝きし世の面影」挿絵

杖から盲人の按摩師と思われる。        身なりと街への溶け込みが大変自然だ。

前置きが長くなりました。この日本人思考の根本はその理念が記されている最古の書「古事記」だと思います。大東亜戦争以降「敗戦利得者」により日本の教育が明治から戦前の歴史を否定的に捉えています。しかし本当は当時の日本人が一番その理念を発露させた時代であったのではないでしょうか。

 

この度インターネットで「神道政治連盟青森県本部」が6月に発行した小冊子「たったひとつのきまりごと」を知りクリアファイルと共に300冊購入して社員と来社した皆様に差し上げています。1冊30円とても安価です。この冊子の内容は「皇統は万世一系の男系男子に限る」ということが「たったひとつのきまりごと」ですよ。ということが易しく書いてあります。(日本書紀の内容を多く引いているようです)

 

この件については「男系女子」「女系男子」「女系天皇」「女性天皇」の意味が良く理解できていない多くの国民にとって良い冊子であると同時に今年が「皇紀2681年」であり今上陛下が「126代天皇」であることを知らない(昔では考えられないことなのですが)人に実際は今でも皇室と共に日本人があるのだということが感じられると思います。

小冊子「たったひとつのきまりごと」

小冊子「たったひとつのきまりごと」

クリアファイル「ご歴代天皇系図」

神話から連綿と続く万世一系の皇室を持つ国に生きている事実を知ればそれだけで幸せという人もいるでしょう。皇統の危機は何度かありました。そのたびに先人は智慧と努力で紡いできたのです。史実としても一千年以上継続している世界に類のない皇統を私たちの代で「断絶することは許されない」と常々申している意味が当小冊子から解ると思います。PDF版も用意されていますが安価ですので1冊お手元に置き読んでみることをお勧めいたします。

 

冊子をお渡しした多くの方が「こういうものに興味はあったが知る機会がなかった」と仰います。教育は大切であると同時に怖いものです。

 

先の敗戦でも守られた一千年を超える国体が今、内外からのサイレントな侵食を受け絶たれる危機にあることを

一人でも多くの日本に住む人々に知っていただきたいと思います。

 

 

 

モノ作り日本の崩壊(電子立国日本の自叙伝 放送30年)

2021年03月13日

NHK「電子立国日本の自叙伝」が放送されたのは30年前の1991年です。当時私は半導体業界向けの商社に入社し子会社で洗浄装置を担当したばかりでした。30年後の今、当時の私に声をかけるとすれば「あなたの観たその誇らしい放送は既に崩壊の序章だったよ」ということです。放送により今でも日本が電子立国であるかのように錯覚している人もいるかもしれません。

しかし今、正しい日本の姿を描くならばそのタイトルは「電子立国日本の遺書」「モノづくり日本産業の崩壊」というものではないでしょうか。少なくとも私の立ち位置からはそう見えます。しかし気が付いていない人があまりに多い。社員さえ読まないこのブログにたどり着いて拙文に触れていただいた方に考えるヒントになれば幸いとこの記事を書きます。毎回申しますように私は学者ではありませんし専門知識もありません。正しくはご自分でファクトチェックした上でご判断ください。

 

私は根本的に「明治人最強」を説きます。これは渡辺京二著「逝きし世の面影」にもある幕末から明治に日本に訪れた又は居住した多くの西洋人によって滅亡した江戸の文明を上書きした富国強兵の明治という視点からです。文明は滅びても文化は残ったが「古い日本は死んで去ってしまった、そしてその代わりに若い日本の世の中になった」(チェンバレン1873-1911年の間日本に居住)「明日の日本が外面的な物質的進歩と革新の分野において、今日の日本よりはるかに富んだ、おそらくある点でより良い国になるのは確かなことだろう。しかし昨日の日本がそうであったように昔のように素朴で絵のように美しい国になることはけっしてあるまい」(ウェストン1925年著書より)素朴で絵のように美しい国というのは著者の渡辺京二氏もいうように景色だけのことではなく民族の心性も含んだ意味だと思いますがこれはあくまで100年前のことです。しかしヒントになります。

 

なぜこの話なのかというと日本の産業構造を考えたときに以下のような流れがありました。

  • ①「江戸時代から明治維新を経て明治時代になった」富国強兵産業期(鉄鋼・造船・紡績・軍事)
  • ②「戦後昭和の経済復興」勤勉と安価な人件費による復興貿易期(鉄鋼・造船・紡績・内需)
  • ③「昭和の技術立国化」外国からの技術を深化させて自国技術として確立(自動車・電子・内需)
  • ④「平成の失われた30年」グローバル化戦略の誤り
  • ⑤「現在の国内産業の衰退」将来への備えを怠った付けを払う時代の始まり

これらの流れの間には都度、過去の文明を変えるほどの変化があり明治維新や敗戦、バブル崩壊などの大きな事が起こった時には人々は実感しますが④⑤(コロナ問題は進行中ですが)に関してはその変化に気づいていない人が多いようです。文明が変わっても残った日本人の文化や心性までも廃れてしまう懸念をもっています。

 

明治維新の志士は大国清が列強に翻弄されるのをみて国家構造を変えて対応しました。その手法が正しかったかどうかは分かりませんが、変化しなかったならば日本は列強に取り込まれていたでしょう。独立を保ったのです。Chinaは常に世界をリードしていましたがアヘン戦争以降ほんの200年、蓋をされていたにすぎません。今は共産党の国。自称「中華人民共和国」建国100年です。新しい国ですがかつての大国としての復興を目指しており、いよいよ実現が目の前になってきました。

 

日本に目を移しましょう。多くの人が何故気づかないのか。冷戦時にスイス全国民に配布された「民間防衛」という書にヒントがあります。兵器を使わずに他国を支配することが近代の戦争なのです。紛争を作ってしまって相手に警戒されたら侵攻がうまく進みません。相手に気づかれないように考えないように徐々に入り込んで支配国に依存しないと生きられないようにした時点で戦争完了です。

 

日本人の多くが気付いていないこと。先に挙げたように「今でも先進国であるかのような錯覚」Chinaや韓国をはじめとするアジアの国々が「日本より遅れている国であるという錯覚」「今までの生活水準が将来も保てるという錯覚」私の立場から目を覚ます皆さんのよく知っている簡単な事例をいくつか記します。専門家はそんな事十分承知というでしょう。間違った見解と言われるかもしれません。しかしこれが今の私の社会人としての肌感覚です。

【内需では経済が成り立たない】

よく言われるように日本には資源がありませんからモノ作りに支えられています。自国で持っているのは「製造技術」と「労働力」でした。(過去形)原材料は輸入です。人口増加が一定規模で保たれれば内需の期待もあります。しかし少子化人口減で革新的な商品が日本から生まれないと国内循環でビジネスが成り立ちません。輸出するしかないのです。

 

【完成品で輸出できるものが少ない】

メイドインジャパンの信用力はわずかに残っています。かつてはテレビ、冷蔵庫、洗濯機をはじめ

家電は日本で作っていましたが今ほとんど海外生産です。パソコンや携帯電話やLED照明器具も日本製がありましたが瞬く間に衰退しました。私がいる半導体業界もDRAMやCPUなどの高価な半導体の国内メーカーは消滅しました。高価格商品で世界をリードし伸びているのは自動車メーカー位ではないでしょうか。

 

【目を背けたくなる現実】

半導体業界に身を置いて30年、嘗て世界シェア70%を誇った日本のお家芸DRAMは数年のうちに駆逐され台湾と韓国にポジションを奪われました。日本の技術者と製造装置メーカーが立ち上げたのですから日本の苦労が水の泡になっただけでなく後の失われた30年の一因にもなりました。それを許したのは政府や行政でもあるのですが今でもそれは変わっていません。次はもっと大きな半導体ショックが訪れます。現在、棲み分けができている半導体産業で装置や素材のメーカーは日本が優位性を保ってきましたが我々を含めそれも過去のものとなりそうです。日本は産業保護や育成については非常に冷たい国です。もしかすると政治家は日本を衰退させるために敢えて施策を行っているのかもしれません。半導体投資には大きな費用が掛かります。他国では数千億、数兆円を掛けて国家主導で投資を行いました。日本にはそんなお金はないのだと思ってきましたがコロナ禍で投じられる数十兆円の予算をみたとき資金を使う方向を産業に向けていれば、これから訪れるであろう未来を変えることができたと残念に思います。現在、半導体の基板であるシリコンウエハーは日本メーカー2社が世界シェアの60%を占めています。上位5社にChinaの会社は一社もありません。これから自動車のEV化やIoT社会への変化により半導体基板の需要も増加します。Chinaでは現在の日本メーカーの総数を上回る数を供給できる会社が立ち上がっています。数年内に品質も同等になるでしょう。また台湾韓国と異なり自国で原材料を既に持っており製造装置も他の素材も国産化をすると宣言しています。彼らが宣言したことは必ず実現します。ウエハーの次はファウンドリーを中心としたデバイス生産が本格化するでしょう。日本の消極的な電子デバイスメーカーのサラリーマン経営者は投資をせず製造を委託するでしょう。半導体の素材もデバイスもChinaが覇権を握るでしょう。安全保障上のリスクはレアメタルの比ではありません。政治家はもちろんそんなことは承知で法整備をしません。

【頼みの綱が】

それでも私は自動車産業が残るのだろうと漠然と考えていました。しかし2030年の新車販売でのEV化を宣言したことで目が覚めました。脱炭素、カーボンフリーはどこから来たのでしょうか。気候変動が本当の理由ですか。脱炭素は単にエンジンを作ってはいけないということではありません。製品を作る際に発生する炭素量も問題にされるでしょう。全産業に影響し化石燃料で発電している日本では工場の稼働はできないことにもなりかねません。結局原子力を持つ国、核兵器を持つ国、人権を制限できる国が勝つ社会になっているのではないですか。

自動車の技術=エンジンの技術です。欧州メーカーはクリーンディーゼル不正の発覚によってエンジンを捨てることにしました。彼らのレギュレーション変更にまた日本は巻き込まれたのではないですか。かつての戦争が安全保障上の理由で起こったとマッカーサーも上院の軍事外交合同委員会で証言しています。それほどの大事件が今起きているのに。毎日のように「自動車産業は550万人の雇用を支えています」のCMが流れています。自動車産業に携わる人々の危機感のあらわれでしょう。エンジンを捨てた自動車メーカーはどうなるでしょう。すべての有意性がリセットされて20年後はgoogleやappleだけでなく聞いたこともないmade in Chinaの自動車が自動運転で走っているでしょう。日本は何が残っているでしょうか、安い賃金を背景にした労働力の提供しかありません。格差は開く一方になります。

 

【知っていますか】

ある大手のインターネットサイトで総売り上げの過半数はオーナーが外国人になったそうです。皆さんが日本の会社だと思ってネットで購入しているその商品の販売元は日本人のお店かもしれませんがお店のオーナーは日本人ではありません。すべての国内産業においてそれが起きます。コロナ前から倒産より廃業が増えました。M&Aなどという言葉を知らなかった人たちにも企業の吸収合併は普通のことになりました。但し買う側の会社が日本の会社であってもオーナーが日本人とは限りません。積極的な投資で日本企業を買う外国人は沢山います。日本人の消極的思想の根源は安全保障を他国に預けるような敗北主義であることにあると私は思いますが負け惜しみを言ってももう間に合いません。

 

【これからの日本】

現代の日本人の本音は「飢えない程度に最低限の生活ができるのなら誰に食べさせてもらっても拘らない」ということでしょう。国柄が変わっても皇統が断絶しても楽に最低限の生活が提供されるなら受けるという考えが大勢なのではないでしょうか。そういう意味では日本は地政学上利用価値がありますから不満分子が扇動を起こさない程度の生活は保障され存続すると思います。

 

私が感じる日本人の位置が御理解いただけたでしょうか、私の接するChinaのエリートは礼儀正しく勤勉で情熱を持っています。かつての滅んだ日本人をみるようです。50年前、三島由紀夫が予言した「日本はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、ある経済的大国が極東の一角に残るのであろう」は間違っていました。経済的大国、それは日本の位置にある他国籍国になっているかもしれません。どうすれば回避できるでしょうか。残念ながら間に合いません。一度は地に落ちたほうが残った日本人の覚醒に繋がると思います。幕末の志士は危機感から先手を打って日本を救いました百数十年経って憂国の志士は現れません。一旦地に落ちても起き上がる日本人はいないかもしれません。飼いならされた、かつては勤勉だった日本人の子孫がどのような未来を獲得するのかは予想できません。ただ祈るだけです。

 

現在の日本人は一生子供でいようとし親も子供でいさせようとします。親の遺産や年金で暮らしている人。親にお金の援助を受けて生きている人がやがて親になって同じように子供の面倒を見る循環が起きないと、不足した部分を誰かが補わなければならなくなります。簡単で当たり前の理屈ですが自分で立つということ。一人で立たせるということを国家ができていないのに個人ができるわけがありません。逆もまた真で国民が自立できないのだから国家が自立していないのもうなずけるというものです。本当の歴史と伝統を知らない日本人が日本を繋ぐことはできないでしょう。荒れた寺院や社を各地で見ます。BrokenWindow(割れ窓)理論が叫ばれた1980年代。ある意味日本の黄金期でした。あれから30年以上が経ってこれが日本で起こっているのが実態です。

 

化石燃料をフルに使って産業を維持している日本でモノ作りはできません。生産時にどれだけ炭素を使うかによって工場を稼働することが許されない世界がそこまで来ています。エンジンを捨てた自動車産業の未来は暗いです。大卒初任給ランキング日本は20番目アメリカの半分以下です。実質賃金指数が20年間でマイナスになっているのは先進国で日本だけです。日本は物価も賃金も安いので外国人観光客が来るのです。日本が好きだからじゃありません。(安いのにサービスがいいから好きというのはあると思いますが)格差は大きく広がります。格差のどちら側にいるかは気づきの差だと思います。

この記事が刺激になり、このままじゃいけないかもしれないと思う若者が出現してくれることを祈ります。

 

 

日清日露大東亜(6)日露開戦の背景

2021年02月28日

時間が空きましたので再確認です。第2次大戦までは帝国主義の時代です。欧米列強が武力でアジア/アフリカを

植民地支配していましたが正当な権利とされていました。これを現代の感覚で非難することは間違っています。

また、当記事は私の主観で書いていますので疑問や大事だと思うところはファクトチェックをお願いします。

帝政ロシアはバルカン半島の南下政策で

イギリスと対立しアジア方面へ進出し日本にとっての脅威となっていました。

 

1860年にはアロー戦争(第2次アヘン戦争)で英仏と清の仲介に乗じ清との国境線を変更しウラジオストクを手にします。

 

地図をみると日本海に不自然に伸びた国境。ロシアの不凍港はこうして生まれました。

(シベリア鉄道はモスクワとウラジオストクを結ぶ長大な鉄道です)

 

ウラジオストクの語源はいくつがありますが概ねウラジ=「治める」「占領」+ボストークvostok「東」で「東方を支配せよ」という解釈になります。この重要な位置と意味(日本の隣の不凍港)は現代に繋がっています。

日清戦争後でも日本は三国干渉によりロシアに権益の一部を放棄(遼東半島はロシアのものに)させられました。有色人種初の帝国主義国日本でしたが白人列強の傲慢に日本国民の不満も積もっていました。

 

ここでイギリスと日本の利害が一致します。お互いのChina・Koreaの権益を認めてロシアの膨張に対抗する目的で「日英同盟」が締結(1902年)されます。日本にとって最初の軍事同盟でした。(この同盟が長く続けば日本の運命も違ったものになったはずですが20年後第一次大戦の戦勝国(米・英・仏・日)の4カ国条約により失効しました。後々のことを考えると残念です。)

 

余談ですが本当は支那としたいのですがChinaと書きます。支那は決して侮蔑する言葉ではありません。満州に派兵された私の祖父は愛をこめて支那/支那人と言っていました。しかし、不快な思いをする(そう思わされている)人がいるというのでChinaと書きます。ただChinaは地域の名前で当時の国名は「清」です。Chinaは易姓革命の国ですから王朝が変わると違う国になるのです。清は漢民族の明に代わり1616年に建国した満洲民族主導の国です。

1900年、列強うごめく清朝Chinaで義和団事件が起こります。アヘン戦争以降Chinaにはイギリス・アメリカ・フランス・ドイツ・オーストリア・イタリア・ロシア・ベルギー・日本などが租界と呼ばれる外国人居留地を持っていて清の国力は低下していました。反キリスト教の宗教団体が義和団という組織を作り排外(外国排除)武力活動を起こします。清朝末期の西太后は初め鎮圧しようとしますが反転し義和団を支持し外国に宣戦布告します。

 

日本を含む8カ国が連合軍として2か月で鎮圧しました。連合国の兵力7万、清側20万、日本兵の犠牲者757人。外国人教会関係で約240人、China人のキリスト教信者は2万3千人が犠牲になったと言われています。日本兵に犠牲者が多いのは、地理上Chinaに近い日本とロシアの派兵数が多かったことも要因です。

 

義和団事件の結果、勝者である列強の意向やそれに伴う賠償金により清国の衰退と植民地化が一層進むことになります。また、日本が日露戦争に踏み切る原因にもなりました。

満州還付条約調印で出兵したロシアはChina東北部の満州を一時的に占領し1年半のうちに3度に分けて完全撤兵する約束をしたのですが姑息な手を使って実質的に約束を守らず居座ります。地図を見ていただくとわかる通り満州地方はウラジオストクとKoreaに接し、ここを抑えられると地理的に日本にとってKoreaが最後の砦となります。ロシアはKoreaにも触手を伸ばします。

 

1903年、満洲還付条約が帝政ロシアにより破棄されます。満州に兵を置き旅順に総督府を設置し奉天を占領。日本の最後の望みは「満韓交換論」日本はロシアの満州での権益を認めるがKoreaでの日本の権益は認めさせることを図りました。最後の防波堤を守りたいという日本の願いが込められたものでしたが望みは絶たれます。ロシアはこれを拒否し日本は「窮鼠猫を噛まざるを得ない」状況になってしまいました。

 日本はロシアとの戦争は避けたかった。何しろ勝ち目がありません。日本とロシアとの国力、兵力差があまりにも大きいことを政府も軍も分かっていたからです。

 

負けるつもりで戦ってはいけませんが勝ち目がないとわかっていても戦わなければならないときがある。今の私たちには理解はできても実行できません。平和の祭典と戦争を比較してはいけませんがコロナ禍でのオリンピックを迎えた日本人の弱気発言が気になります。軍人勅諭には「命は鴻毛より軽し」などと人権軽視の部分もありますが一旦国家が決定したことはやり抜くという力があったことは羨ましく思います。現代の日本人が当時の人々より精神的に脆弱になったとすれば、それも問題だと思います。

 

その点はChinaの為政者を尊敬します。彼らは一旦口にしたことは何十何百年かかっても必ず成し遂げます。そのChinaと今の日本人が対等に交渉できるとは思えません。China数千年の歴史の中で一つの国が続いていた事実はありませんが常に大国でした。たまたまアヘン戦争以降の列強によって狂わされた統治によって一時停止していただけです。これから必ず復権します。そうしたとき我が日本が腑抜けの国になっているこの事実を為政者や若者は自覚して備え改善しなければなりません。

 

日露戦争で勝ち目のない相手にどう臨んだか次回以降に記します。(既に明治天皇の開戦の詔勅は紹介済みですが)過去に学びせめて気持ちだけでも先人に続きたいものです。

 

 

 

 

建国記念の日 (紀元節 日本国の誕生日 国の成り立ち)

2021年02月11日

神話ブログにも書きましたが、記紀によるところ紀元前の660年に神武天皇が奈良の橿原の宮で「即位」されたのが旧暦1月1日で明治の御代で新暦2月11日を「紀元節」と定められたのが元です。日本国2621歳(皇紀2621年)ですね。なんでこんな基本的なことを日本人が知らないかというと知らせないようにされているからです。日本がアメリカ(連合軍)と戦争して戦後7年間GHQ(連合国最高司令官総司令部)に占領されました。連合国といっても実質アメリカです。日本が2度とアメリカの脅威にならないように様々な毒を盛った(敢えて悪い表現を使っています)のです。

系譜:天地初発から神武天皇即位まで

その結果が今の日本であり歴史を知らされない日本人の増産であり日本が衰退していく原因と私は思っています。国の誕生日にふさわしくない内容ですが日本国はしばらく衰退(停滞している事実)するでしょう。しかし希望は持っています。いつか若者が気付くのではないか?気づいてほしいと。間に合わなければ日本は日本ではないものになるでしょう。いろいろな形でそうなります。

 

昭和42年「建国をしのび、国を愛する心を養う」休日として建国記念日となって復活します。よく復活できましたね。現代だったらどうだと思いますかGHQが盛った毒が蔓延した現代。「神話に基づく国を愛する心を養う日として紀元節を復活しましょう」などと保守の政治家が発言したら毒に侵された国民が反対するのではないでしょうか。国を分断するため「家族制度を解体」「大規模農家を農地解放により解体」「財閥を解体し企業を小規模化」「家族型経営の会社で労働者と経営者を分断」「11宮家を臣籍降下させ皇統を不安定化」「教育・文化・報道関係者をはじめとする公職追放で思想を偏よらせる」「自立放棄の憲法押しつけ日本を立てなくする」等々、弱体化の毒はありとあらゆる分野に撒かれ発芽し根付いています。

そういうベースの下に今の自分があることを自覚しましょう。軽々と「女系天皇でも良いのでは」などと言うべきではありません。男女平等とこの問題は違うのです。世界の混乱を見ていると「戦前の日本統治は間違っていなかったのではないか」(私の戦前は明治ですが)と思います。間違っていたのは民主主義を植え付けると言って思想侵略したアメリカのほうだったのではないでしょうか。何と言っても歴史は日本のほうがはるか長いですから。アメリカは250年の歴史しかありません、China4000年の歴史と言っても易姓革命の国です。建国からは100年です。日本は2621年です。日本を超える国はないのです。超えられる可能性としては日本の皇統を断絶させるしかありません。男系継承が止まれば断絶です。

 

さて、別の神話の頁にも貼りますが神倭伊波礼琵古命(カムヤマトイワレビコノミコト)「神武天皇」までの系譜を書いてみました。神々の相当数記載していません。実際はこの何倍何十倍もの神々や物が生まれたのです。興味があれば調べてみると良いでしょう。また私の系譜が間違っていてもお許しください。学者じゃないもので。

 

私のブログの神話の項も建速須佐之男命の神逐(かむやらひ)まできていますので、これからは終盤です。須佐之男命と大国主の「国造り」国津神から天津神への「国譲り」神武東征と御即位、歴代天皇のうちの応神天皇までと決めていますから登場する神から肉体を持った天皇や皇族へと話が移っていきます。建国記念の日に系譜をみて、これまでの当ブログ(文書が長くまとまらずすみません)を読んで国の成り立ちについて考えてみてください。特に若い人よろしくお願いしますよ。「日本のこと頼んだぞ」少なくても大東亜戦争で散華した人たちをはじめ多くの愛国者はそう思っているに違いありません。私もそういう気持ちです。

 

 

日本神話 補足 神蚕

2021年01月10日

神産巣日命から授けられた稲・粟・小豆・大豆の五穀(古事記による)のほかに唯一の動物である蚕について書いておきます。きっかけは、ある印刷物に載っていた記事を読んだことです。記事によると小学校で蚕の体験飼育をしたのですが幼虫が全てが死んでしまい教師がゴミとして捨てたという記事でした。これがなぜ記事になったのかというと神社で配った印刷物だったからです。起ったことは「飼っていた芋虫が死んだから捨てた」それがどうしたということかもしれませんが、日本人にとっては大事件なのです。

私が子供のころ家の周りは桑畑だらけでした。今は桑の木などなくなりましたが養蚕の盛んな土地柄だったのです。日本人は神話とともに養蚕も捨てました五穀もどこまで守れるかわかりません。日本以外でも養蚕は行われますが日本では神話で神に授けられたとされるほど大切なものであり昆虫で唯一家畜化された生き物です。ヤママユ蛾科ですのでもともと成虫は羽化してからは食べることをせず繁殖のための1週間程度の命です。

千年以上、家畜化されたことで幼虫では桑の葉につかまる力がなくなりました。よって養蚕農家では広く桑の葉を寝かせて置きます。小学校で死なせてしまったのは桑の葉を立てておいたためのようです野生では生きられない昆虫なのです。

 

蚕は繭を作って羽化してしまうと糸を紡ぐことができないので生きたまま茹(ゆ)でられます。糸を紡ぎ死んだ蛹(さなぎ)は食用か他の動物のえさにします。繁殖のために成虫にしても殆ど飛ぶことも出来ません。人間に命を捧げるために生まれてくるのです。

 

養蚕農家では「お蚕様」「お蚕さん」と呼び大切に育て各地で供養もしています。学校の教育目的は何だったのでしょう。蚕と日本人の関係と性質も教えず、ただ飼うなら命の無駄です。「一寸の虫にも五分の魂」という言葉を日本人は忘れてしまったのでしょうか。日本という島国に生まれたから日本人なのではないのです。日本人を育てないと日本人にはならないのです。日本が心配、DNAだけの日本人ではだめです日本文化が大好きで文化や伝統を守っていこうとする外国人に住んでいただいたほうが良いと思うくらいです。

飛躍しますが皇族も生まれながらにして皇統を継ぐにふさわしい資格をもって生まれてくるのではないことが秋篠宮家をはじめわかってきました。教育が大切です。少しでも日本の神話を知ってもらいたいと思って書く身にとって、日本の祭司の皇大神宮の本家があの状態では心もとない限りです。誰を信じればよいのですか。上皇陛下の教育係はGHQに派遣されたエリザベスヴァイニングです。以降宮内庁の方針も戦前のものと明らかに違います。戦前の日本が間違っていたと言っていたアメリカを見てください間違っていたのは彼らかもしれないし後追いの現代日本も危険です。

 

 

謹賀新年

2021年01月02日

あけましておめでとうございます。

予想もしなかったことが起きた一年でした。年初めに明るいご挨拶をしたいところですが令和三年も世界的な変化が起こるでしょう。個の人生というものは人類の長い歴史の1ページにも満たぬものですが大きな節目になると思います。「あと9年働かせてください」と今年もお祈りしてきました。

 

元日は氏神様に伺いました。いつもの年は零時前に並んで参拝するのですが今年は1日の午前中に誰もいない我が家だけのお参りでした。神棚は例年通り30日に皇大神宮様、氏神様のお札をお納めし人形(ひとかた)に邪気を移して晦日祓い大祓いをいたしました。

 

厄除大師で方位除けのお札をうけ、聖天山でだるまと破魔矢を買い早々に帰宅しました。例年の三分の一程度の人出で少ないですが露店も少ないながら出ていました。

本年は予想もしない大変化の一年になるでしょう。旧年は不本意な一年でした。企業の理念を果たせず悩んだ一年でした。この変化の大きななかで本来私たちの目指したモノづくりの具現化ができるでしょうか。私どもにとっても勝負の一年になると思います。従業員諸君はどうぞ自らに厳しく実りある一年にして、お客様の付託に応える力を持ってください。善人が必ずしも善行しないことを私は知っています。善行を行う者が善人であって、結果的に悪行となったらそれを行ったものは悪人です。私たちは善人にならなければならないのです。悪人でも生きていければよいという考えは少なくとも私にはありません。

今年は本当に厳しい年になります。それは私たちに必要な試練です。某話題の奥様が「艱難は自らを磨く砥石」と言いましたが「艱難を甘んじて受けよ」ということではありません。「艱難と戯れて乗り越えたときに魂が磨かれる」という意味です。逃げても恐れてもいけません。それは艱難をより強いものにしてしまいます。自分に与えられた艱難は自分のレベルに合わせて与えられているものですから乗り越えられないものはないのです。

 

その先に明るい未来が待っています。この世の中の変化は一年二年で片付くものではないかもしれません。しかしきっと明るい未来のために必要な時期なのだと信じて明るく前向きに参りましょう。このメッセージは私共の従業員に向かってのみではなく拙文に触れていただいた皆様に申し上げます。艱難に戯れて克服し心より笑いあえる日がきっと来ることを信じています。その時にはまた皆様にお目にかかりたいと思っております。それまでお身体にお気を付けください。皆様とご家族のご多幸をお祈り申し上げます。

 

日清日露大東亜(番外)日露戦争 どう書くか

2020年12月06日

前回 畏れ多くも明治天皇のお気持ちを書かせていただきましたが、明治人最強説を公言している私としても日本の近代史としても日露戦争は壮大なテーマであって素人の私程度の知識で総括できるものではありません。もう一つの側面として日本として勝った最後の戦争です。勝ち方にもいろいろありますが、この勝利がもたらした日本国内の変化及び世界の変化というものはその後の世界の形を変えてしまったといっても過言ではないくらいの歴史的分岐点です。でも学校ではそのことはサラッと数ページ歴史の教科書に書いてあるくらいです。何故ですか?後に起こる大東亜戦争は太平洋戦争と呼ばれています。当時日本人は皆が大東亜戦争を戦ったのですが「その呼び方は使ってはいけません」と言われて「太平洋戦争」になったのです。戦死した日本人と話す機会があったら太平洋戦争なんて言っても伝わりません。戦争が終わって75年経ちました。大東亜戦争を使ってはいけないと現在言っているのは日本人です。何故ですか? 戦争後連合国が「おすわり」と日本人に言いました。言った側も忘れ気がついてみたら今でも日本人は未だ座っていた。何故か立たない否、自分の脚で立つことができなくなっていました。ある意味それが連合国側の目的で、そのために働いた日本人がいた、そして今もいるのです。

アメリカをみてください。彼等の云うところの太平洋戦争時、ルーズベルト政権中に300人のコミンテルン社会主義スパイがいたことが公開された公式文書(ベノナ文書)に記載されています。このスパイ工作が日米開戦の大きな一因でした。75年後の今、米の選挙で変なことが起きています。米の甘い選挙は投票する個人の特定と集計のシステムにスキがあります。共和党と民主党の票を合計すると不自然に多い投票数になってしまう。今の米政権の中にいる反政府勢力も仕事が雑です。今も目に見えぬもう一つの政府が存在し彼らの影響力は世界を動かすのです。

米も日本も性善説が強すぎます。民主主義の危うさ。その民主主義は本当の民意を反映しているのでしょうか。本当は絶対に間違わない人徳による治世が良いのだと思います。そういう意味で明治天皇の御代は日本が最も輝いた(一瞬でしたが)時代だったのかもしれません。

その明治に日本が行った日露戦争は国運を賭けた総力戦。国運を賭けない戦争なんてないと思いますが、スイッチ一つで他国を爆撃する現代の戦争と違って、歩兵が武器を持って前線で殺しあう戦争。そんなものを傍観もしていない後世の我々が軽く書いてはいけないという思いがある一方で、これは主観を交えて書いておきたいとも思います。

なにしろ日本の教育はこの時代について深く触れません。私が書く間違いも興味を持って調べる人が出てくれば無駄ではないと思います。

その後の日本の、アジアの運命を変えた日露戦争をどう書くか。戦争の史実はサラッといきましょう。史実はネットですぐに調べられますから。私は入り口までの案内人として、ここまでどういう流れで戦争に向かったか書いてきましたので、ここからは乃木希典(陸)と東郷平八郎(海)とそれに纏(まつ)わる人々にフォーカスしていきます。特に乃木大将については長くなります。私個人の思い入れが明治天皇-乃木希典-昭和天皇で繋がっていますから。

身内は長い文書に辟易して私のブログを読んでくれないのですが。私の遺書として亡くなってからでも良いから読んでみてください。そして日本のことを大切にしてください。

 

人物にエピソードを加えて書いていきます。迷信に近い話や噂話も書きますので真偽は自分なりに調べてみてください。誤解を受けそうですが兎も角、日露戦争を戦った明治人の正しく殺しあう姿勢は残念ながら大東亜戦争ではだいぶ劣化します。

 

偶然、三島由紀夫没後50年ですが三島先生が自衛隊に求めた「天皇の軍隊」所謂「皇軍」というものは日露戦争で終わっていたのかもしれません。先ほど書いた「武士道に通じる正しく殺し合う」ルールに基づく戦は大東亜戦争に於いて兵を動かす謳い文句として有効に使われましたが言葉を発した当人は腐敗堕落して多くの将兵を見殺しにした結果になってのではないでしょうか。

 

今後、日本人は何処を目指して生きていくのでしょうか?人任せにしてはいけません自分の事として考えましょう。人口減少・格差の拡大・社会インフラの劣化・外国との関わり等問題山積です。特に日本人の人心の劣化が著しいことが原因で社会的経済的に国威が下がっていくでしょう。どのレベルまで下がるか予想できません。或いは亡国にまで至る可能性もゼロとは言えません。下がるところまで下がってから気づくと思います。その頃もう我々は居ませんが、もう一度上昇するためには復古が必要だと気づくでしょう。さてどこを目指すのでしょうか。私のお勧めは明治です。誤解してはいけません。物質的なものを目指すということではありません。人心道徳からやり直すことを目指すなら日本人なら明治です。それだけ祖先には地球上で真剣に生存を賭け戦った時期があったということを知っていただきたいと思います。